フリーランスの老後はなぜ詰むのか?インデックスの出口戦略と『高配当株ハイブリッド』という選択

目次

【はじめに】

これまで「守りの国債」や「攻めのFANG+」といった資産形成の話をしてきましたが、投資のゴールは「増やすこと」ではなく、そのお金を使って「豊かな時間を過ごすこと」にあります。

私も増やすことだけを目的に資産額のシミュレーションばかり見ていて、「60歳の出口」については考えてもいませんでした。もし老後を迎えた瞬間に大暴落が来たら? 15年かけて回復を待っていたら、人生で一番元気に動ける時間が終わってしまいますよね。

おはこんばんにちは、Beniです。

今回はインデックス投資という「諸刃の剣」を、老後の安心に変えるための出口戦略について、自分なりの回答を話していければと思います。

この記事でわかること
  • なぜ「インデックス投資の4%ルール」はフリーランスの老後で破綻するのか?
  • 国債+高配当株ハイブリッドでも避けられない「残酷な収支」の真実
  • ストレスと現実的リスクから導き出した、私が選ぶ「出口戦略」

【本題】

1. インデックス投資の出口

インデックス投資は「増やすこと」に関しては最強のツールです。しかし、超富裕層でもない限りいつまでも増やし続けることはできません。老後、私たちは溜め込んだ資産を「使う」フェーズに移行する必要があります。

なぜ「取り崩し」が必要なのか

一般的に、インデックス投資で資産を運用しながら老後生活を送るには、「毎年資産の4%ずつを切り崩していく」という手法が広く推奨されています。

これは有名な「4%ルール」に基づいたもので、運用を続けながら資産を長期間(約30年間)持たせるための代表的なアプローチです。つまり、資産を枯渇させずに生活費を確保するためには、この「4%の取り崩し」は避けて通れないプロセスとされています。

資産を減らすことの「想像を絶するストレス」

しかし、ここには大きな落とし穴があります。これまで何十年もかけて「貯めること」「増やすこと」を目的として投資してきたインデックス投資家にとって、自分の意志で資産を売却し、残高を減らしていく作業は、精神的に非常に負荷がかかります。

  • 終わりのない不安: 資産がいくらあっても、「自分の寿命が先か、資産が尽きるのが先か」という不安が常につきまといます。
  • 相場との心中: 特に厄介なのが、相場が暴落している局面です。「評価額がマイナス」であっても、生活費のために売却しなければならない時が必ず来ます。この「下がっている資産をあえて売る」という行為は、投資家にとって、まるで自分の資産を切り刻むような強い心理的ストレスとなるのです。

「貯める」のプロは「使う」の素人

結局、インデックス投資家は「資産を積み上げること」に特化して訓練されてきました。その結果、いざ使う段になって、その準備ができている人はほとんどいません。それどころか、資産が減る恐怖から、せっかくの資産を使い切れずに、ただただ「数字上の富」だけを抱えて老後を終えてしまう……そんなケースも珍しくないのです。

うさおくん

ずっと頑張って育てた自分の資産….。僕はこんなにいっぱい資産貯めたんだ!減らしたくないよ!

2. 老後地獄:フリーランスのシミュレーション

ここからが本題です。被験者として割と最悪なケースに位置するわたくし「フリーランス(第一号被保険者)」で、さらに妻が育児休暇やその後もすぐに職場復帰できず、国民年金を10年ほど納められない(免除・未納)期間があるケースを想定してみましょう。

– 閑話休題 –
ちなみに現在、妻はいませんのでこれよりもっときつい未来が待っています…。
想定ケースくらい見栄を張らせてください。

前提条件は以下の通りです。

項目内容
自宅ローン完済済み
公的年金(夫婦合計)約11〜12万円/月(夫は満額約7万円、妻は10年未納により大幅減額)
老後の最低生活費約23〜25万円/月(夫婦2人)
毎月の収支約13万円の赤字(年間約150万円の不足)
リタイア時の金融資産5,000万円(生活防衛資金:国債1,000万円/運用資金:4,000万円)

よくある前提「ローン完済済みの自宅を所持」で資産しています。
賃貸住宅などの場合には、資産金額に加えて賃貸料金が発生します。
月々10万円の家だとしても 30年間借りると、3,600 万円追加で必要になります。

「不足分13万円をどうするか」が今回のお話です。
ではこの状態で、よくある「インデックス投資の4%ルール」で切り崩した場合をシミュレーションしてみましょう。

【パターン1:国債1,000万円 + インデックス4%ルール】

仕組み
4,000万円 × 4% = 初年度は年間160万円(月約13.3万円)を取り崩し。年金の12万円と合わせて、月25.3万円で生活する計算です。

序盤(最初の10〜15年)
資産が4,000万円あるうちは、月々13万円以上の取り崩しができるため、一見するとギリギリ回るように見えます。

中盤〜後半(20年後以降)
しかし、インデックス投資は「定率」で崩していくため、元本が目減りすると引き出せる金額そのものが減っていきます。仮に相場が低迷したり、少しずつ切り崩した結果、資産が2,000万円まで減ってしまったら、そこからの4%は年間80万円(月約6.6万円)に激減。年金12万円と合わせても月収入は約18.6万円まで落ち込みます。物価上昇や医療費の増大に対応できず、後半は生活が完全に破綻するリスクがあります。

精神的負荷
さらに厄介なのが、「暴落と重なった時の精神的パニック」です。ただでさえ毎月生活費のために資産を売却しなければならないのに、マーケットが暴落して資産が30%〜40%削られた状態で「売る」行為は、精神的に耐えられるものではありません。生活防衛資金の国債1,000万円があるとはいえ、目減りする資産を眺めながら老後を生きるストレスは想像を絶します。

【パターン2:国債1,000万円 + 高配当株ハイブリッド】

国債1,000万円を生活防衛資金として絶対に死守し、残りの4,000万円をすべて「高配当株」に突っ込んだ場合はどうなるでしょうか? 実際に特定口座で運用した場合の数字を見てみましょう。

仕組み
国債1,000万円を生活防衛資金として絶対に死守し、残りの4,000万円をすべて高配当株に投資。税引前利回り4%と仮定すると、特定口座のため20.315%の税金が引かれ、手取りの年間配当は約127万円(月約10.6万円)。年金12万円と合わせて、月収入は約22.6万円になります。

序盤〜後半を通して
配当額は資産の評価額そのものに直接左右されにくいため、相場が暴落しても収入は大きく変わりません。パターン1のように「資産が目減りすると収入も減る」という悪循環が起きにくいのが最大の特徴です。

精神的負荷
近年は日本企業も含めて「減配をしない(株主還元を維持する)」ことを掲げる企業が増えており、決まった時期にチャリンチャリンと入ってくる配当金は、インデックスの「売却する恐怖」に比べて圧倒的な精神的安定剤になります。

突きつけられる「残酷な収支」

  • 入ってくるお金: 年金(夫婦で約12万円) + 配当(約10.6万円) = 合計 月約22.6万円
  • 出ていくお金(必要な生活費): 最低でも 月約25万円

お気づきでしょうか? 高配当株に全振りしても、フリーランスで妻の年金が少ない世帯では、トータルの月収支が毎月「約2.4万円の赤字」となり、資産はあるのにじわじわとお金が目減りしていくことになります。暴落時でも配当が維持されるという「精神的メリット」と引き換えに、資産の最大化を諦めているため、そもそも「根本的な資金不足」という問題が解決しきらないのです。

うさおくん

うわっ、現実のシビアさがエグい……! 妻の年金が削られている分、インデックスの4%ルールだと後半に破綻するし、かといって高配当株に全振りしても毎月赤字が消えないじゃないか……! どっちの道を選んでも、そもそも元手や年金のベースが足りないと、詰んでしまうってこと!?

【パターン1 vs パターン2:徹底比較】

パターン1:国債+インデックス4%ルールパターン2:国債+高配当株ハイブリッド
運用資金4,000万円4,000万円
初年度の取り崩し・配当(手取り)年160万円(月約13.3万円)年約127万円(月約10.6万円)
年金と合わせた月収入(初年度)約25.3万円約22.6万円
生活費との収支(初年度)ほぼ均衡月約2.4万円の赤字
資産が2,000万円まで減った場合の月収入約18.6万円に激減約22.6万円のまま変わらず
精神的負荷暴落時に資産を売る恐怖が大きい配当は維持されやすく安定感がある
弱点後半に生活破綻するリスク慢性的な赤字を防衛資金等で補う必要

こうして並べてみると、パターン1は「序盤は楽だが後半に崩壊するリスク」を、パターン2は「序盤から慢性的な赤字だが、資産評価額の増減に収入が左右されにくい」というトレードオフを抱えていることがわかります。

3. 結論:私が「高配当株ハイブリッド」を選択する理由

ここまで比較して「で?結局どうすればいいの?」と思われるでしょう。

両者を比較すると、一長一短があり完璧な正解はありません。しかし、私自身の性格やメンタルを冷静に分析した結果、「4%取り崩しのストレス」にはどうあがいても耐えられないという判断に至りました。

暴落のたびに資産評価額が削られ、それでも生活のために資産を売却し続ける恐怖に怯えながら老後を過ごすのは不可能です。

そのため、現時点での私の結論は「高配当株ハイブリッド」です。

月々の収支に多少の赤字が出たり、資産の最大化という面では損をしたとしても、「毎月一定の配当が入り、資産売却のストレスから解放される」という精神的安定を選択します。不足する赤字分については、手元の生活防衛資金(国債)やその他の手段でカバーしていくのが、私にとって最も現実的な生存戦略だからです。

【おわりに】

残念なことに、5,000万円準備できたとしても老後の資金が不足しているという現実です。
人生100年と言われる時代になって長生きできる一方で、長生きするためのお金が圧倒的に足りません。
私は老後までにこの不足分をどう補っていくかが課題で、ファイナンシャルプランナー試験に挑戦していたりします。

皆さんも、ご自身の性格や家庭環境に合った「出口」を早い段階で計算してみてください。そうすることで、今自分にどれだけのお金(入金力)が必要なのかが明確になります。

私のように気づくのが遅れたり、しかもそのうえ「フリーランス」という社会保障の薄い爆弾を抱えている事すら自覚していないと、後になってから無理な入金が必要になったり、老後も常にお金の不安に怯えることになります。

早く始めれば始めるほど複利の力で楽になりますし、早く気づくことができれば「今のうちに会社員に戻る(厚生年金に入る)」といった選択肢を取ることもできたはずです。

私のように後から現実に直面して失敗する人が、一人でも少なくなりますように。自分の足元をしっかりと固めて、一緒に賢い投資ライフを送っていきましょう!

うさおくん

それではまた次回!

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この記事を書いた人

フリーランスで IT インフラの仕事をしているBeniです。
株や iDeCo で大失敗した経験から、失敗しない資産形成のリアルな情報を発信していきます!

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