はじめに
これまで「守り」の重要性や、その置き場所としての「個人向け国債」についてお話ししてきました。もちろん、資産形成には守りだけでなく「攻め」も必要です。そんなわけで、最近は「爆発的なリターン」で話題のFANG+について、自分なりに改めて勉強していました。
数字を追えば追うほど、「確かにこれは夢があるけど、かなり尖った商品だな」と実感しています。
おはこんばんにちは、Beniです。
今回は、インデックス投資の中でも特に異彩を放つ「FANG+」について、少しだけ深掘りしていこうと思います!
- FANG+ってそもそも何?その実力と正体
- 10年に一度の暴落に耐えられるか?定量的データで見るリスク
- なぜNISA枠でFANG+を全力買いしてはいけないのか
本題
1. FANG+の正体:なぜ「4強」の中で飛び抜けているのか?
NISAでインデックス投資を始める人の多くは、以下の4つのどれかから選ぶといっても過言ではありません。
- オルカン(全世界株式): 世界中にまるっと分散する「守りの要」。
- S&P500: 米国市場全体に広く投資する「王道」。
- NASDAQ100: 米国のハイテク企業を中心に投資する「成長株」。
- FANG+: 米国のエリートテック企業10社に厳選投資する「爆発株」。
この中でなぜ今回「FANG+」を取り上げるのか。それは、他のインデックスとは比較にならないほどの「爆発力」を秘めているからです。正式名称は「NYSE FANG+指数」。AI、クラウド、半導体など、次世代のインフラを支配する「選ばれし10社」のみに、均等に資金を配分するという非常に尖った戦略をとっています。

※過去の長期的な実績を基にした年利目安で算出。税金・手数料は考慮していません。
※数値はあくまで目安です。FANG+のような集中投資型は市場変動が激しく、これより大きく増える年もあれば、逆に大きく減る年もあります。
| インデックス | 年利目安 | 5年後 | 10年後 | 20年後 |
|---|---|---|---|---|
| オルカン | 約6% | 1,338万円 | 1,790万円 | 3,207万円 |
| S&P500 | 約7% | 1,402万円 | 1,967万円 | 3,869万円 |
| NASDAQ100 | 約11% | 1,685万円 | 2,839万円 | 8,062万円 |
| FANG+ | 約17% | 2,192万円 | 4,806万円 | 23,102万円 |
分散投資が「安定」を求めるなら、FANG+は「成長を総取り」する戦略です。たった10銘柄に資産を集中させるというルールがあるからこそ、ハマった時のリターンは、まさに「異次元」と言えます。
うさおくん20年で2.3億円……!? オルカンと比べて7倍以上の差があるね。これが集中投資のパワーか!!
2. 暴落は突然やってくる:データが示す「集中投資」の現実
FANG+はリターンも桁違いですが、リスクはそれ以上に「過激」です。
投資の世界では、株価が10%程度下がるのは「調整(ちょっとした休憩)」として日常茶飯事ですが、FANG+の場合、市場が少し揺れるだけで、他のインデックスとは比較にならないほどのダメージを負います。
リーマンショック級の金融危機や、パンデミックのような「市場がパニックに陥った時」の、過去の経験則に基づく減少率を比較してみましょう。
| インデックス | 大暴落時の減少率(目安) | 1,000万円がどうなる? |
|---|---|---|
| オルカン | 約 -50% | 500万円 |
| S&P500 | 約 -50% | 500万円 |
| NASDAQ100 | 約 -60% | 400万円 |
| FANG+ | 約 -70% ~ -80% | 200~300万円 |
※数値は過去の市場クラッシュ時のデータなどを参考にした、極端な下落シミュレーションです。
なぜ、これほどまで減るのか?
他のインデックス(特にオルカンやS&P500)は、市場全体に分散されているため、一部の企業がダメになっても、他の優良企業が下支えしてくれます。
しかし、FANG+は「たった10社」への集中投資です。AIブームやテック株への期待が冷え込んだ瞬間、この10社が同時に売り浴びせられ、支える壁が存在しないまま、資産が数分の一になるまで一直線に落ちていくのです。



大暴落したら1,000万円が200万円!?『FANG+はすごい増える』って話しかしないけど、裏ではこんな地獄が待ってることもあるってことか……。心臓が弱い人には、絶対におすすめできないね……。
「ガチホ」という言葉の重さ
「下がってもいつか戻るでしょ?」と軽く言う人がいますが、資産が80%減った状態で、精神的に平常心を保って持ち続けられますか? 私は多分無理です。1,000万円あったものが200万円まで減る恐怖に耐えながら、何年も回復を信じて待ち続けるのは、プロでも至難の業です。
この暴落耐性がないまま「流行っているから」という理由だけで手を出すと、一番苦しい局面でパニック売りしてしまい、資産を大きく損なうことになります。


3. なぜ「NISA」と「FANG+」は相性が悪いのか?
これはあくまでも私の認識なのですが、FANG+をNISAで運用するということは、「大暴落のリスクがある商品を、売買の制限がある箱に入れる」という非常に危険な行為であり、NISAと相性が悪いと考えています。
① 「気絶」が通用しない商品だから
「オルカン」や「S&P500」は、過去の歴史から見て「何十年も持っていれば右肩上がりに戻る」という期待が持てます。だからこそ、放置していても安心な「気絶運用」が可能です。
しかし、FANG+は特定のテック銘柄への集中投資です。もし時代が変われば、かつての覇者が凋落するように、FANG+も「二度と最高値に戻らない」というリスクをゼロにはできません。そのため、「暴落の予兆」を常に監視し、状況に応じて「売却する」という意思決定が不可欠になります。
② NISAの「枠」が足を引っ張る
常に相場を監視し、危険を感じたら売却する……。この「攻め」の運用をNISAで行おうとすると、仕組みの限界に直面します。
- 売却しても枠は即座に戻らない: NISAで商品を売却した場合、その「非課税枠」が再利用できるようになるのは翌年です。
- 「損切りした翌年に、枠が復活しても相場が戻っているとは限らない: 暴落した瞬間に売却して枠を空けても、FANG+のような銘柄は数日で急反発することもあり、枠が戻るのを待っているうちに買い戻すチャンスを失うこともザラです。
③ 「投資枠」の制限が、時間的損失を生む
NISAには年間360万円という投資上限があります。一度FANG+で損切りを繰り返すと、限られた枠を浪費することになり、資産を回復させるための「次の投資」が思うように進まなくなります。
高度な相場観を持ち、売買を繰り返して利益を追求するなら、NISAの枠に縛られるよりも、自由度の高い「特定口座」で個別株運用を行った方が、コストや制限の面で合理的な立ち回りが可能です。
④ iDeCoに関しては「論外」
老後資金を準備するためのiDeCoにおいて、資産が数分の一になる可能性を秘めたFANG+を選択するのは、本来の目的から逸脱しています。老後資金は「確実に受け取れること」が最優先。FANG+のような「いつ紙くずになるか分からない(あるいは価値が激減する)」商品を、引き出し制限のあるiDeCoに入れることはおすすめできません。
【おわりに】
FANG+は、使いようによっては資産を爆速で増やしてくれる「劇薬」のような存在です。
もちろん、「高いリターンを狙いたい」という投資家としての思想を完全否定するつもりはありません。ただ、私自身の投資哲学から言えば、FANG+をNISAのメインに据える選択は、リスクが高すぎて到底選べない、というのが正直なところです。
もしどうしてもポートフォリオに加えたいのであれば、あくまで資産全体のうち「1〜2割程度」をサテライト(衛星)として混ぜ込むくらいが、心の平穏を保てる限界ではないでしょうか。
FANG+を買えば確かにお金は増えるかもしれません、でも1回立ち止まってください。NISAをしている理由は何ですか?ギャンブルで脳汁を出すためですか?感情に流されて遠回りせず、まずは「守りの土台」を固めることを最優先にして、冷静に市場とお付き合いしてくださいね。



それではまた次回!









コメント